「モニタリングサイト1000」ガンカモ類調査およびシギ・チドリ類調査の 第2期とりまとめ報告書が公表されました

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日本国環境省 生物多様性センター

The logo of the Monitoring Sites 1000

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日本国環境省では、長期生態系観測を目的とした重要生態系監視地域調査(モニタリングサイト1000)を2003年から実施しています。日本を代表する様々な生態系(陸生鳥類、海鳥、里地・里山など)の変化状況を把握し、生物多様性保全施策に活用することを目的とした調査で、全国約1000箇所のモニタリングサイトを設置し、100年を目標に長期継続的に調査を行っているものです。

これらの調査成果は保護区指定やレッドリスト作成などの基礎データとして活用されています。また、調査の開始から 10 年が経過しており、これまでの調査結果が生物多様性条約戦略計画2011-2020の愛知目標の進捗状況評価や各種保全施策に一層効果的に活用されることを目的として、生態系ごとに5年に一度のとりまとめを実施しました。

東アジア・オーストラリア地域フライウェイに特に関連のあるガンカモ類調査、シギ・チドリ類調査についても、次の通り、調査成果のとりまとめが行われました。

ガンカモ類調査成果とりまとめの概要

ガンカモ類調査は、湖沼生態系の指標として、湖沼を中心とした80箇所の調査サイトにおいて、ガンカモ類が日本へ渡ってくる9月から翌年5月にかけて個体数調査を実施しているものです。今回のとりまとめでは、2012/13シーズンまでのデータを用いて、全国の各モニタリングサイトにおけるガンカモ類の個体数や種数の状況、各種の全国的な状況等についてとりまとめ、各サイトがラムサール条約の下での国際的に重要な湿地に関する基準を満たすかどうかの評価やレッドリスト種の個体数の状況整理を実施しました。

調査成果のとりまとめから、各調査サイトがラムサール条約の下での国際的に重要な湿地に関する基準5(定期的に2万羽以上の水鳥を支える湿地)及び基準6(水鳥の一つの種または亜種の個体群の個体数の1%を定期的に支える湿地)に合致するかどうかの評価を行ったところ、既にラムサール条約に登録されているサイトを除いて新たに31箇所のサイトが基準を満たすことがわかりました。また、絶滅危惧種であるシジュウカラガン及びハクガン(ともに環境省レッドリスト絶滅危惧ⅠA類)の個体数は、2004/05年の調査開始以来増加傾向にあり、日本に飛来する個体数が増加していると考えられます。詳細はこちらからご覧いただけます(http://www.env.go.jp/press/100462.html)。

また、ガンカモ類に関しては、モニタリング1000とは別にガンカモ類の生息調査として、冬期の生息状況の調査を毎年1月中旬に都道府県の協力を得て全国一斉に実施しています(http://www.biodic.go.jp/gankamo/gankamo_top.html)。

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シギ・チドリ類調査成果とりまとめの概要

シギ・チドリ類調査は、干潟生態系の指標として干潟の微生物・ゴカイ類・貝類・甲殻類等を採食しており干潟生態系の上位に位置するシギ・チドリ類の調査を実施しているものです。141地点の干潟を中心としたサイトにおいて、シギ・チドリ類が日本へ渡ってくる春(4~5月)、秋(8~9月)、冬(12月~2月)の3期の個体数調査を行っています。今回は、2012/13シーズンまでの9年分の結果について、とりまとめを実施しました。2012/13シーズンまでのデータを用いて、全国の各モニタリングサイトにおけるシギ・チドリ類の個体数や種数の状況、各種の全国的な状況等についてとりまとめ、各サイトがラムサール条約の下での国際的に重要な湿地に関する基準を満たすかどうかの評価やレッドリスト種の個体数の状況整理を実施しました。

調査成果のとりまとめから、シギ・チドリ類の全種の最大個体数の動向を分析した結果、2000年度から2012年度までを通して、春期、秋期には減少していることが明らかとなりました。また、各調査サイトがラムサール条約の下での国際的に重要な湿地に関する基準6(水鳥の一つの種または亜種の個体群の個体数の1%を定期的に支える湿地)に合致するかどうかの評価を行ったところ、既にラムサール条約に登録されているサイトを除いて新たに25箇所のサイトが基準を満たすことがわかりました。

絶滅危惧種に着目すると、ヘラシギ及びカラフトアオアシシギ(ともに環境省レッドリスト絶滅危惧ⅠA類)は、近年の個体数は少なく絶滅の危機にある状況が継続していることがわかりました。また、シロチドリ、ホウロクシギ、ツルシギ(いずれも同絶滅危惧Ⅱ類)については個体数の減少傾向が認められ、絶滅が危惧される状況にあることがわかりました。詳細はこちらからご覧いただけます(http://www.env.go.jp/press/100463.html)。

市民が支える調査

モニタリング1000では、より効果的・効率的に調査を行うために、研究者による調査だけではなく地域で活動する市民の協力により調査が行われています。環境省では、活動をサポートするためのマニュアル作成や研修会・講習会の開催などを行っています。

また、ガンカモ類やシギ・チドリ類、里地・里山などの生態系タイプごとに毎年全国サイト間交流会を開いて調査員や研究者間の情報交換を促進したり、新たな調査員を募集するなど、調査員の輪を広げる取り組みが各地でなされています。モニタリングサイト1000ホームページ:http://www.biodic.go.jp/moni1000/index.html(日本語のみ )

 

生物多様性センターでは、モニタリングサイト1000、ガンカモ類の生息調査、鳥類標識調査等の鳥類調査を行っている他、日本全国の植生を把握するための植生調査などの自然環境保全基礎調査などを実施しており、ウェブサイトにおいて調査の紹介や報告書やデータの公開を行っています。

生物多様性センターホームページ:日本語 / 英語

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